2011-01-01から1年間の記事一覧

遠ざかる山低くなり枯芒

木枯らしにいろいろの音交ざりをり 冬晴やまんじゅうのやうな雲浮かぶ 散らかりし机上更けゆく霜の夜

太陽光パネルの屋根に冬日差す

石蕗は蕾も好きだが、なぜかもう終わりかけの咲き切ったところに惹かれる 花の盛りを過ぎたところが良い、とは他の花では桜くらいのものだろうけど 桜とはまた全然違う 石蕗の句はダメだったいいお天気の昼下がり、お気に入りの木の椅子に腰かけてぼんやり空…

斑鳩の塔に入り日や紫苑咲く

横降りの雨によろける秋の蝶 秋の蚊の我が頬ばかり狙ひくる 葉隠れに小鳥ゐるらしそっと立つ 我が膝に落ち着く犬や小鳥来る 夜勤行く後ろ姿や鱗雲 からまつの落葉天より降ってきし 今月の兼題「新松子」(しんちぢり)は見ることができなかった これは檜、杉の…

ちんまりとガラスの卓の月の影

今年の仲秋の名月は天候を気にすることなく存分に楽しめた しかし、こんなに暑い月見は風情がない デッキのガラステーブルに映ったお月さんはびっくりするほど小さかった その月の写真を撮るのを忘れたな、と今頃思う行く人の街灯と月の影二つ赤とんぼフェア…

ごましおの顎鬚の汗に抱かれたる

今月の句会は先生からのご要望でお休み 「句会の前日」が無いと私は作句できない「生と死の歳時記」齋藤愼爾・瀬戸内寂聴共著 を読む 芭蕉や蕪村の句もあったけれど、いわゆる現代俳句 字余り、季重なり、エロで、、、 おくれ毛のうなじにそよぐ涼しさよ こ…

上弦の空の蒼さや梅雨明くる

涼風や墨磨る音の幽けしき 小窓より山梔子の花匂ひくる [:] 古びたる木の柄の長し父の日傘 [:] スカートの裾ひるがへし日傘来る [:] ハーブ園白い風車の草いきれ

ステンレス鍋ぴかぴかに五月晴

明日香川茂れる井手の迸る 花蜜柑噎せ返りつつ歩をゆるめ フェンネルの花 ずっと以前からあったのに、この小さな花をしげしげ眺めたのは初めて (写真をクリックしてオリジナル画像を見る、でもう少し大きく見えます) 桑の実を食みて少しののぼり坂 五月雨…

てのひらに豆腐をのせて夕薄暑

今月は◎は無かったけれど8句全部を先生にとっていただけた 投句数が少なかったせいもあるだろうけど、句会に参加するようになって初めてのことで、私にとっては快挙 陵にへばりつく家鯉のぼり 石楠花を両側に見て下り坂 水仕事母の日のころ心地好し たんぽ…

行く春や被災地に折る千羽鶴

生協のパンフレットの中に被災地に向けて千羽鶴を折ってください、と折り紙が入っていた未曾有という言葉をこれほど聞いたことはかつてない 「100万回生きたねこ」を最初に見たとき、一目ぼれ しばらくして「神も仏もありません」をみつけた 以来、佐野洋…

軒下を一瞬よぎし燕の尾

ムスカリ ここ2,3年、まったく芽も出なかったムスカリ、やはり栄養不足のような淡い色だけれど数株だけ芽を出して咲いてくれた たしか球根だったように思うのだけれど、ずいぶん数はたくさん植えたはず スノーフレーク スノーフレークは例年のように、、…

掻揚げの白魚の目の律義なる

3月11日の東北関東大震災以来、原発事故も加わって、生々しいテレビの映像に気分は暗くなる一方 でも、今日の句会で2つも◎をいただいて、テンションあがる 掻揚げは先日のランチの何とか御膳に 今年初めて食べる白魚、さすがプロのてんぷらは美味しい、…

高天井終着駅の余寒かな

1月31日から2月7日、イタリアへ ローマ終着駅には行っていない、これはヴィットリオ・エマヌエレ2世ガレリア船頭の声頭上飛び交ひ運河春・・・・・頭上飛ぶ船頭らの声運河春 イタリア人はよくしゃべる、何がそんなに重要なのか、というほど ゴンドラは…

大空に白い月あり日脚伸ぶ

若かりし母の写真や小正月 雪吊りの天に聳えて池に映ゆ 炬燵より動かぬと決め日の暮るる 右も左もわからずに、俳句は初心者だから、何もこわいものはない と自分勝手に思っていた そして、まだ、3年か4年だろうと思っていた ところが、ふと、過去のファイ…